8月9日、日曜日。
恨めしいほどに澄み切った空。老犬を体重計に乗せると、ちょうど1グラム減り、4.4キロになっていた。たかが1グラムだが、意味深い1グラムだ。しかし、そんなささやかな喜びを吹き飛ばすように、彼女はひどく体調が悪いらしい。左右の犬歯が痛むらしく、十中八九、歯槽膿漏だろう。視線を落とすと、大量の血が愛用の布団を無慈悲にも汚していた。それはまるで事件現場——静かな山間の田舎町で繰り広げられる、血塗られた密室サスペンスだった。
名探偵のごとく、私は彼女の口内環境を改善するという壮大な任務に立ち上がった。意気揚々と歯磨きと目のケアの準備を始めた矢先、どこからともなくウンチの芳しい香りが漂ってきた。「あなたがグズグズしてるからよ」とため息をつく妻の呆れ顔が見えるようだ。己の不器用さを呪いつつ、どうにか歯磨きを終え、目のケアに移ろうとした。
「さあ、目を綺麗にしようね」と、あふれる愛情とともに彼女を抱え上げた。その瞬間——ポロリ。彼女は無遠慮にウンチを落としたのだ。私は宙に浮く老犬と、床に落ちたそれとを交互に見つめた。「私は一体何を期待していたんだ?」。老犬の括約筋は、私の些細な計画などいとも簡単に飛び越えていく。結局のところ、今日は目のケアはしないという唐突な結論に至った。
昨夜、彼女は何度も落ち着きなく寝返りを打っていた。暑さのせいで眠れなかったのか、それとも痛みのせいだろうか。言葉を持たない生き物の苦しみを推測することしかできない己の無力さが、私の心を少しだけチクリと刺した。今夜はどうなることだろう。夕日が古い町並みをオレンジ色に染めるのを見つめながら、私はため息とともに汚れた布団を洗濯機に放り込んだ。まあいい、これがここでの生活なのだ。明日も彼女が安らかに呼吸をしてくれさえすれば、それで十分だ。
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