雨上がりのコーヒーと、16歳の小さな反乱
こんな時代も9年前2017年
シニア日記:迷走する台風と8月12日の水曜日である 。窓の外では、雨が静かに、そして絶え間なく降っている 。巨大なエネルギーの塊である台風が、つい先ほど我が家の近くを通過していった 。嵐の後の世界というのは、いつも少しよそよそしく感じられるものだ。台風がもたらした風のせいか空気はいくぶん涼しいが、我が家のレークランドテリア、ノエの体調はひどく悪い 。
毎日同じ姿の画像ばかり
朝の儀式として彼女をそっと抱き上げ、体重計に乗せる。4.3キロ 。その数字は昨日から変わっていない 。増えも減りもしない、ただそこにある静かな重さ。しかし、私の気がかりは、今日も衰えることなく続いている大量の出血だ 。彼女の命の目盛りが、ゆっくりと、しかし確実にすり減っていくような微かな焦燥感を覚える。毎日の歯磨きは今の彼女には負担が大きすぎるため、ごく優しいブラッシングにとどめ、薬で慎重に歯茎を拭く 。
赤い唾液で口が赤くなって
カメラの手入れをしながら一人で考えた末、来週彼女を動物病院へ連れて行くことに決めた 。車での往復や、冷たく無機質な診察台の上での検査が彼女をひどく疲れさせることは、痛いほどわかっている 。それでも今回ばかりは、彼女に耐えてもらうようお願いしなければならない 。それが正しい選択なのか誰にもわからないが、私たちはいつも暗闇を手探りするようにして、こうして日々を繋ぎ合わせてきたのだ。
元気な姿の時代
今日で彼女は16歳と229日になった 。生まれてから6076日である 。つまり、6076回の朝を迎え、同じ数の夜を越えてきたということだ。今日も彼女はその小さな体で、懸命に命の火を燃やし続けている 。愛用のカメラのファインダーを覗き込んでも、レンズの向こうに見えるのはいつものように眠っている姿ばかりで、似たような変わらない画像ばかりが保存されていく 。
記事にあわせAIが描くイメージ
食欲もあまりないらしく、出された食べ物をただ見つめている時間が増えた 。それでも、彼女の「生」への執着が完全に消え去ったわけではない。トイレに行きたい時、喉が渇いて水が欲しい時、そしてわずかな食欲が湧いた時、彼女は全力で立ち向かう 。弱った筋肉を使って自力で立ち上がろうとし、不器用に手足をバタつかせて、必死に私に知らせようとするのだ 。その小さなバタつく音は、この静かな家の中では驚くほど大きく、力強く響き渡る。
午後になると、妻は身支度をして美容院へと出かけていった 。ドアが閉まる音が響き、再び深い静寂が家を包み込む。雨の降る水曜日の午後、留守番をしているのは私と老犬だけだ 。私は新しくコーヒーを淹れ、彼女の規則正しい寝息に静かに耳を傾ける。彼女の6076日目も、こうして穏やかに過ぎていく。
0 件のコメント:
コメントを投稿